命の手紙

馬鹿にしながら俺が言うと、灰原が口を開いた。

「ヤ ハチュー ブイト スタボイ フシュク ダ。はい、これなんて言ったでしょうか」

「は、はあ?」

発音からして明らかに英語ではない。灰原がふふふと嬉しそうに笑う。

「正解は……ロシア語で『あなたとずっと一緒にいたい』でした〜!!」

「おい!そんなのずるいぞ!ロシア語なんてこんにちはも知らねえよ!!」

「『こんにちは』はドーブライ ディエン!」

「……何で英語がわからないやつが、ロシア語を知ってるんだよ?」

「ロシア人が出てくるミステリー小説を書いてるから!」

そう言って灰原はかばんの中から、ノートを取り出し俺に渡した。

「読んでみて!絶対面白いから」

「お前…小説も書いてるのか?」

今まで、灰原は自分がオススメの本を俺に勧めていた。というか、押し付けられていた。

「小説家になるのが夢なんだ」

そう言って灰原は笑う。