命の手紙




「……嘘だろ……」

「そんなこの世の終わりみたいな顔しなくていいじゃん!」

灰原が頰を膨らませる。

俺の手には、灰原のためにわざわざ作ったテストがある。採点をしていて手が震えてしまった。

灰原が勉強が苦手だと言うので、仕方がないので教えてやることにした。テストはふざけて中学校で教わる簡単な問題にしたのだが、よく高校に入れたなとつっこみたくなる点数だった。

「おい……お前、dogのつづり間違ってるぞ。dがbになっている。普通間違わないだろ!」

「え〜?あっ、ほんとだ」

「それと『WHOとは何ですか?』の答えは英語の『誰』じゃない。世界保健機関だ」

このテストには英語や社会など、五教科を全部詰め込んだ。一教科ずつ作るのが面倒だったからだ。

「『清少納言が書いた随筆の作品名を答えなさい』の答えも間違っている」

「ええ!?ちゃんと書いたよ〜」