*
「ここにあるんだな?
この山のどこかに、ガザン王の剣が…」
「あぁ、そのようだ。」
森で迷わないというのは本当だった。
気が付かないうちに、私達は森を抜けていた。
こんな森の中で迷うということ自体、なんだか信じられないような気がする。
そこはそんなに険しくもなければ、そう高くもない山だった。
マリウスさんにとっては重大な人生の岐路にあたる出来事だっていうのに、私はどこか物見遊山な気分だった。
魔法使いには会ったけど、その魔法を目にしたわけじゃないし、魔法のかけられた剣というのも、まだピンと来てないのかもしれない。
「サキ、大丈夫か?
疲れてないか?」
「はい、私は大丈夫です。
フェルナンさん、傷は痛みませんか?」
「あぁ、なんともない。」
フェルナンさんの笑顔が眩しい。
考えてみれば、いつでも…どこに行っても…フェルナンさんは私のことを気遣ってくれてた…
本当に優しい人だ。
この先、私にどんな運命が待ち受けているのかわからないけれど…
出来ることなら、このままずっとフェルナンさんと一緒にいたい…
「あ、あそこに洞窟があるぞ!」
マリウスさんの弾んだ声が、私の物思いを突き破った。
「ここにあるんだな?
この山のどこかに、ガザン王の剣が…」
「あぁ、そのようだ。」
森で迷わないというのは本当だった。
気が付かないうちに、私達は森を抜けていた。
こんな森の中で迷うということ自体、なんだか信じられないような気がする。
そこはそんなに険しくもなければ、そう高くもない山だった。
マリウスさんにとっては重大な人生の岐路にあたる出来事だっていうのに、私はどこか物見遊山な気分だった。
魔法使いには会ったけど、その魔法を目にしたわけじゃないし、魔法のかけられた剣というのも、まだピンと来てないのかもしれない。
「サキ、大丈夫か?
疲れてないか?」
「はい、私は大丈夫です。
フェルナンさん、傷は痛みませんか?」
「あぁ、なんともない。」
フェルナンさんの笑顔が眩しい。
考えてみれば、いつでも…どこに行っても…フェルナンさんは私のことを気遣ってくれてた…
本当に優しい人だ。
この先、私にどんな運命が待ち受けているのかわからないけれど…
出来ることなら、このままずっとフェルナンさんと一緒にいたい…
「あ、あそこに洞窟があるぞ!」
マリウスさんの弾んだ声が、私の物思いを突き破った。



