替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする

「おばあさんは、門について良くご存知なんですね。」

「あぁ…昔、ある城で働いておったからな。」

「もしかして、ガザンですか?」

おばあさんは、ゆっくりと頷いた。



「私もガザンの門に呼ばれたのではないでしょうか?」

「それはないじゃろう。
ガザンはもう滅んだ国じゃ。
確かに、ガザンの城にも門はあったが、わしがいた頃にはすでに封印されておった。
封印したのは、実はわしなんじゃから間違いない。」

「そうなんですか…
じゃあ、どうやって探せばよいのでしょう?」

「そうじゃな…」

おばあさんは、また腕を組み、一心に何かを考え始めた。
おばあさんのおかげで、少し手がかりは掴めたけれど、まだまだ道は遠い感じだ。
それに、心の整理も全然つかない。
お父さんとお母さんが、本当の親じゃないなんて、今でもとても信じられないよ…



「そうじゃ!
おまえさんを呼び出したということは、おまえさんが必要ということじゃ。
なにか問題を抱える国だということじゃな。」

「問題を抱える国…でも、そんなのどうやって探せば…」

「確かに…
自国の問題は、そうそう外には漏らされんじゃろうからな。
探すのは困難じゃろうな。」



やっぱりそうか…
がっかりはしたけれど、城や貴族のお屋敷を調べれば、手がかりがみつかるかもしれない。
ただ、そんなところに伝手もなく勝手に行けるのかどうかは、甚だ疑問だけど…