「こいつはたまげた！
異界に行ったという話は聞いたことがあるが、異界から来たという話は初めてじゃ。」



やっぱり、おばあさんは別の世界のことを知ってるようだ。
私は、自分の身の上を話すことにした。



「実は、おばあさん……」

私はすべてを話した。
ある日、両親が私に言ったこと…
そして、バングルのこと…



「なるほど。
やはり、おまえさんが異界から来たというのは間違いなさそうじゃな。」

「どういうことですか？」

「おまえさんは、何も知らんのか？」

「はい、さっき話した通りで、私は何も知らされないまま、突然この世界に送りこまれたようなのです。」

「ふむ…そうか。」

おばあさんは俯き、何かをじっと考えているようだった。
そして、ゆっくりと話し始めた。



「本来、異界と繋がっているのは『門』と呼ばれるものじゃ。
こちらから異界に人を送る時は、こちらの門を動かし、そこから異界に送る。
異界から呼び寄せることは今までなかったゆえ、よくはわからんが、おそらくその時も呼ばれた者は門に現れるはずじゃ。
だが、おまえさんは門には現れなかった。
ジャミナのランダス近くの森に倒れておったのじゃな？」

「はい、そうです。」

「おそらく、呼び寄せた時になんらかの問題があったのじゃろう。
それで、おまえさんは呼ばれた門ではなく、違う場所へ現れた。」

「そうなんですね…
それで、私は誰に呼ばれたのでしょう？何のために？」