突然のことに、私はますます混乱の度合いを深め…
びっくりしたせいなのか、何なのか…ただただ、涙がぽろぽろとこぼれた。



「な、なんという無礼を…!」

サンドラさんがフェルナンさんを私から引きはがし、その頬を打った。
乾いた音が部屋中に響く…



「サキだ……間違いない。」

フェルナンさんは、サンドラさんに叩かれても、少しも動じることなくそう言った。



「いいえ!この方は……」

目を吊り上げたサンドラさんが言いかけた時…
私は、再び首を振った。



「フェルナンさん…ごめんなさい。」

「シャルア様!」

サンドラさんが、大きな声を上げた。
だけど、もう無理。
フェルナンさんに嘘を吐くことは出来ない。



「サンドラさん…この方たちは、信用出来る人達です。」

私は大きな声でそう言った。



「いけません、シャルア様!」

サンドラさんは私を制したけれど、私の気持ちはもう決まっていたから、体を起こした。



「シャルア様!」

サンドラさんはかなり焦っている。
私はそんなサンドラさんに向かって、ゆっくりと頷いた。



(大丈夫…フェルナンさん達ならきっと……)



「フェルナンさん、マリウスさん…
すべてお話しますから、聞いてください。」

二人は、静かに頷いた。



「実は……」



私は、生まれた時のことから、今日までのことをすべてふたりにぶちまけた。
何もかも包み隠さずに…



サンドラさんは、そんな私を心配そうにみつめていた。