「ほ、本当にどうもありがとうございました。」

「気にするな。
とにかく、体調が良くなるまでここにいたら良い。」

「は、はい、ありがとうございます。」



次の日の朝…
時間はよくわからないけど、きっといつもよりは早い時間に目が覚めて…
ゆっくりと体を起こしてみたら、まだ痛かったけど、幾分マシになったような気がした。



ちょうど、その時、昨夜の人が部屋に入って来て…
窓から差し込む明るい陽の光の下、初めてその人の顔を見たのだけど…
それが意外な程のイケメンで…あぁ、こんな格好良い人におんぶしてもらったんだ…なんて思ったら、なんだか緊張してしまう…!



「ところで、あんたの名前は?」

「さ、紗季です。」

「サキ?変わった名だな。
私は、フェルナンだ。」

「フェルナンさん…」

「すぐに朝食の用意をするからな。」

「は、はい。」



こんなに親切にしてもらって良いのかな?
でも、今はまだ良く動けないし、ここはお世話になっておくしかないか。



それにしても、私は本当にツイていた。
こんな良い人に出会えるなんて…
しかも、超イケメンの…


まだここがどこなのか、なぜ私がこんなところにいるのか、何もわからないけれど…
とりあえず、今、私は安全だ。
それって、すごく幸運なことだよね。
今はとにかく、フェルナンさんにお世話になって、様子をみよう。