「……変わった格好してるんだな。」

「そ、そうですか?」



やっぱり私の思った通り、その家が彼の家だった。
木材で建てられた小屋といった感じだ。
さらに驚いたことには、彼の家には電気がないらしく、彼は蝋燭に火を灯した。



「ここを使ってくれ。」

彼は、私を小部屋に通した。
小さなベッドと椅子があるだけの部屋だ。
彼は、私のコートを脱がせ、そのベッドの上に私を寝かせると、すぐに部屋を出て行った。



誰のベッドかわからないし、なんかかび臭いような気もするけど、そんなこと言ってはいられない。
とにかく、助けてもらえたんだし、それだけでもありがたいと思わないと。



(いた……)



それにしても、この痛みは何なんだろう?
どこにも傷はないように思えるのだけど、とにかく全身が痛い。



(えっと……)



今日、家に帰ってからのことを私は思い起した。



お父さんとお母さんの異変…
そして、不思議な光…



(あ……)



私の腕には、やはりバングルがはめられていた。
右手には赤い宝石がついていて、左手には黄色い宝石がついていて…



やっぱりあれは夢じゃない。
現実の出来事なんだ。
バングルの冷たい感触に、私はそう思った。