しばらくすると、ワゴンのようなものを押した侍女とサンドラさんが部屋に来た。
ワゴンからはとても良いにおいが漂っている。



「遅くなって申し訳ありません。
さぁ、どうぞお召し上がり下さい。」

侍女がテーブルに料理を並べてくれた。
どれもとても美味しそうだ。



「シャキア様、どうか、この国をお救い下さい。」

私の気持ちはまだ定まってなかったから、返事をせずに食事を続けた。
サンドラさんは、私が無視しても黙っていた。



「あの…シャルアさんは本当に治せないのですか?」

気になってたことが口をついて出た。



「はい、残念ですが、毒はシャルア様の全身にまわっており、今からでは治すことは不可能です。」

「どうしてシャルアさんは、毒に冒されたのですか?」

「それは……私の口からは申せません。」



どういうことなんだろう?
何か深い事情がありそうだね。



「あ、それで…私の本当の両親には、いつ会えるのですか?」

「それは、まだ少し先のことになります。
それから…二ルジェ様にはお会いになれません。」

「どうしてですか?」

「……二ルジェ様はお亡くなりになられましたから。」

「えっ!?」



私の本当のお母さんが亡くなってた…?
まだ亡くなるような年ではないと思うけど…



「どうして亡くなったんですか?」

「それは……」

サンドラさんは、俯いて私と顔を合わせない。
多分、言いにくいことなんだろうけど、そんな態度を取られたら私だって気になる。



「教えて下さい!」

私は強い口調でそう言った。