月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

隣で寝ていたジャラールさんの姿がなくなり、代わりにハーキムさんが倒れるように、横になる。

悪いけど、ハーキムさんの寝顔見ても、嬉しくもないじゃない。

私は寝返りを打った。


「クレハは、もう目が覚めたのか?」

ジャラールさんの優しい声。

たまりかねて、ゆっくりと起き上がる。

「何だか眠れなくて。」

「私もだ。」

ジャラールさんと目が合って、お互いに笑い合った。


「怖くなかったか?ハーキムから短剣を渡されて。」

「えっ……」

何で知ってるんだろう。

寝ていたはずなのに。

「悪い。私も眠れずに、ハーキムとの話を聞いてしまった。」

「ああ……」

こんなにも近くで、寝ている。

その上、いつ襲われても分からない状況なんだから、他の人の話も、耳に入ってくるよね。


「正直、怖いです。そんなモノ持った事もないし。」

「そうか……」

「でも、二人の足手まといには、なりたくないんです。」