「で?どの辺まで行ったの?」

「えっ?」

「ほら!あるでしょ?いいところまでとか、最後までとさ。」

ときわはテンションが、明らかに上がっている。

「いや、私達恋人じゃないし、最後までってちょっと……」

照れながら前髪をかき上げる私に、きょとんとするときわ。


「はい?私は物語りの事、言ってるんだけど。」

私はズルッと、湯船の中に。

「あっ、物語りね。」

「当たり前でしょう?まさか物語りの中の登場人物と、恋に落ちるわけじゃないし。」

私は更にお湯の中へ。

「えっ?もしかして?」

ちらっと、ときわを見たけれど、ワクワクしてるみたいだから、答えない。

「ええ〜〜!ねえ、どんな人?」


ねえ、ほら。

そう言う勘だけは、鋭いんだから。

「どんな人って言われても……」

「もしかして、さっきのイケメンの人?」

「よくそんな事、覚えてたね。」

私は先に、お風呂場から出た。