目を擦りながら、駱駝に積んであった、荷物の中を探す。

すると中に、ロープがあった。

「ロープ……」

そして、さっきの答えが、導き出された。


新幹線の中で、あの本で読んだんだ!

誰かがロープを投げて、二人は助かったって!

誰かが?

そう言ったって、私しかいないじゃない。


私はロープを取り出すと、駱駝の体に、それを巻き付けた。

「いい?私が引っ張れって言ったら、向こう側へ行くのよ!」

駱駝は分かったのか、分からないのか。

一回だけ鳴いた。

「よし‼」


私はそのロープを持って、二人の元へ走る。

ちょうどその時、ハーキムさんが砂の壁を、駆け上がって来た。

「ハーキムさん!」

私が投げ入れたロープを、ハーキムさんが手に巻き付ける。

「クレハ……」

「今、引っ張ります!」

私は今度は、駱駝のいる場所に移動した。

「引っ張って!」

すると駱駝は、穴の方へ引きずられる。