月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

「ハーキムさん!ジャラールさん!!」」

ラクダから降り、二人に近づくと砂の中に埋もれているハーキムさんと、それを助け出そうとしているジャラールさんの姿が。

「ハーキムさん!?」

私もジャラールさんの隣に座り、ハーキムさんの腕を引っ張った。

けれど何かがおかしい。

引っ張っているのに、逆に吸い込まれていく。


「クレハ!これは砂に埋もれた穴だ!引きずり込まれたら、這い上がって来れない。早く向こう側へ逃げるんだ!」

砂に埋もれた穴?

引きずり込まれたら、二度と出て来れない?

何それ、底なし沼みたいじゃん!


「早く行け!」

ハーキムさんに怒鳴られて、私は必死に後ろへと逃げた。

次第にジャラールさんとハーキムさんの体が、砂の中に埋もれていく。

「ジャラール様!あなたもお逃げ下さい!」

「何を言っているんだ!お前を置いて、一人だけ助かる事などできるか!!」