「あはははっ!そうそう!この人達の夢。」

「にしては、あまりにも強烈だね。2日連続で見るなんて。」

光清の目は、笑っていない。

疑っている?

何を疑っているの?


「光清?」

「ごめん。あの日、紅葉が資料室でこの本に見入っている姿を見てから、なんだか頭から離れないんだ。」

苦しそうに額を押さえる光清。

そんなに私の事を、心配してくれているなんて。


「大丈夫だよ、光清。」

「紅葉……」

「書いてある挿し絵がさ、すっごいイケメンに書かれていたから、忘れられなくて。ただそれだけ。所詮夢だよ。」

「……そうだね。」

ようやく光清に、笑顔が戻った。

「ねえねえ、その本貸して。私も気になってたんだよね。」

私は光清から、その本を見つけた。

そこには、あの日と同じアラビア語が書いてある。


「ところで、光清。なんでこれがジャラールとハーキムだって分かったの?」