月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

そんな私を見て、ジャラールさんは、にっこり微笑んだ。

「安心しろ、クレハ。何かあったら私がクレハを守る。」

心臓がドキッとした。

さっきまで背中が冷たかったのに、今は体が暑い。


美少年に守るって言われて、ドキドキしない女はいないと思う。


「そうだ、クレハ。上を見てごらん。」

「えっ?」

ジャラールさんに言われるがまま、上を見上げると、壁に開いている穴からたくさんの星空が。

「うわ〜……綺麗。」


満天の星空。

きっとこの事を言うんだなと、思った。


そして、その満天の星空に、アクセントをつけているのが、ぽっかり浮かぶ金色の月。

あまりにも美し過ぎて、勝手に涙が出てきた。


「あっ、ごめんなさい。泣いたりして。」

するとジャラールさんの指が、私のこぼれ落ちる涙を拭ってくれた。

「ジャラールさん。」

「いいんだ。クレハの気持ちはわかる。」

そしてその笑顔に、また吸い込まれそうになった。