月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

「クレハ。少し君の事を聞いてもいいかな。」

「はい?」

穏やかなジャラールさんが、少しだけ真面目な表情を見せた。

「クレハの国はどこだ?」

「国?」

「ああ。この国の者は、砂漠の中で肌や髪を他人に見せたりはしない。そのような格好をしているという事は、少なくてもアラブの国ではないだろう。」

そう言えば私、今スーツ着てるよ。

夢の中って、自動的に衣装チェンジしないのかな。


「当たり‼私は日本って言う国から来たの!」

「日本?」

「わかる?ジャパン!ジャパンよ!」

二人は真剣に顔を見合わせた。


「東洋の果てにジパングという、黄金の国があると聞いた事があります。もしやそこなのでは。」

「へ?黄金の国?」

いつの時代のお話?

私は息をゴクンと飲んだ。

「その様子だと、黄金の国ではなさそうだな。」

ジャラールさんは、前のめりになって聞いてきた。

「そ、そうですね。黄金はザクザク出てこないかな。経済大国とは言われてますけどね。」