月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

私はジャラールさんの横に、腰を降ろした。

ジャラールさんは、器用に穴を掘って、辺りに落ちていた小枝を入れ火をつけた。

暗い星空で、暖かく灯っている。

「すごい。」

「そうか?これでも少し前まではうまく穴も掘れず、小枝にも火をつけられなかった。ハーキムに何度も直された。」

そういうジャラールさんは、楽しそうだった。

「ハーキムさんとは、付き合いは長いんですか?」

「ああ。何せ物心ついた時から側にいた。」

「物心ついた時から?幼馴染みみたい。」

「ハハハ!幼馴染みか。四六時中一緒にいるからな。幼馴染みというよりは、兄弟に近い。」


ジャラールさんって、ものすごく穏やかで温かい人。

王子様と家来なのに、兄弟って言うなんて。


「実際、生きていく知恵も、剣術も遊びも、ハーキムに教わった。私には母親が違う妹が一人いるが、ハーキムも血の繋がっていない兄のようなものだ。」