月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

私、本当にジャラールさんに、恋してたのかな。


そんな事を思いながら、私は涙を拭いて、もう一度ベッドに横になった。



オアシスの精霊さん。

砂漠の国へまた連れて行って下さいなんて、贅沢は言いません。

だけどせめて、夢の中であの王子様に、会わせて貰えませんか?


優しくて、

強くて、

愛している人に一途で、

どこか寂しげで、

深く吸い込まれそうな瞳を持った王子様に。


私は、そっと目を閉じた。

もし、夢の中で出会えたとしても、それは私の思い出の中のジャラールさん。

けれど、それでいい。

心から好きになった人には、本当に幸せになってほしいから。


そう自分に言い聞かせたら、胸の痛みも少しだけ、柔らかくなった。


そうだ。

このまま、眠りにつこう。

あの砂漠の王子様に、夢の中で会える事を願って。



私は、スーっと眠りに入った。