月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

「ふふふっ……」

そこまでだったら、王子様と結ばれる運命にあるのは、その若いOLのはずなんだけどな。

結局、そのお姫様には勝てませんでしたっと。


ふと私は、ポケットの中に手を入れた。

「あれ?」

ない。

しつこいくらいに私にくっついてきた、あの緑色のペンダントがない。

光清が試しに緑のペンダントを持ってみたって言った時、確か返したって言ってた。

私は起き上がって、もう一度ポケットの中を探してみた。

やっぱりない。

「物語が終わったから?」

私は、両足を抱えた。

「だから、あの砂漠の国へ行く鍵は、もう必要ないんだね。」

砂漠の中のオアシスで、唯一絶える事がないって言っていた碧のオアシス。

その精霊が、私に与えてくれたあのペンダント。


「そっか……もう、ジャラールさんには、会えないんだね。」

勝手に涙が出てきた。

二度と会えないと知って、こんなにも涙が出てくるなんて。