月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

「ううん。いい。」

光清の提案を、笑顔で断った。

「いいの?王子様がどうなったのか、知りたくない?」

私は首を横に振る。

「私、ハッピーエンドをこの目で見て来たから。」

「えっ?」

「たぶん王子様は、本当のお父さんがいる隣の国へ。その後、王女様と結婚して、二人は幸せに暮らしましたとさ。」

それを聞いた光清は、目を点にしている。

「だからいいの。気を使わせて、ごめんね。」

「あっ、いや……それならいいんだ。俺の方こそ、余計な事言ってごめん。」

「ううん。じゃあ、気をつけて帰って。」

「紅葉も。」


そう言って、光清と別れた。


遠い遠い砂漠でのお話。

病気になったお姫様を救いに、一人の王子様とその侍従が砂漠の中を、旅していました。

そこにいるはずのない、日本からの女子高生が一人。

強い日差しの中、倒れていた若いOLを、王子様は水を差し出し、助けました。

かくして二人の旅に、日本人のOL一人が加わり、旅は再開されました。