月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

その後、新幹線に乗って、数時間。

ぼーっと外だけ見ていたから、何をしていたか分からない。

ちなみに光清は、昨日の徹夜が祟って、新幹線の中では超爆睡。

私の相手なんて、一度もしてくれなかった。


「はい、じゃあ解散!明日はゆっくり休んでね。」

お気軽な神崎部長の号令の元、私達の社員旅行は終わりを告げた。

「ごめん、紅葉。帰り、俺寝てばっかで。」

しょぼんとする光清に、可愛ささえ覚えるOL。

「いいよ。昨日、一睡もしてなかったんだし。」

それしか言えない光清と、また明日と気軽に手を振ったときわと別れ、一人家路についた。


ふと空を見上げると、大きな月が見えた。

「綺麗……」

始めて砂漠で野宿をした時、あまりにも綺麗な月と星空に、しばらく声が出せなかった。

でも、日本の空は星の数が少なすぎる。

ああ、また砂漠の行きたい。

ふと、そんな事を思いながら、家までの道を急いだ。