月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

「ジャラール。もし、ザーヒルがネシャートの命を狙っているとしたら、何とする?」

「守ります。この命に代えても。」

ネシャートさんは、両手で口を塞ぐ。

おそらく涙が溢れそうになっているんだろう。


私だって、私だって……

ジャラールさんに、そんな事言われたら……


「そんなに、ネシャートの事が好きか?」

ハッとしたジャラールさんは、そのまま王様とネシャートさんの前に、膝を着いた。

「お許し下さい。ネシャート王女をお守りするのは、私の使命。それ故の発言です。決してネシャート王女と私は……」

「もうよい。隠さなくても、ナスィームから聞いておる。二人が愛し合っている事を。」

これには、ジャラールさんどころか、ネシャートさんも、驚いていた。

「私は二人の気持ちに気づいていながら、人としての小ささ故、そなた達を引き裂いてしまった。本当はもっと前に、そなた達の事を考えてやらねば、ならなかったのだ。」