月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

「覚悟しろ!ヘイダル王!!」

背中を向け、玉座に戻ろうとした王様に、ザーヒルが走って行く。

「危ない!父上!」

ジャラールさんが刀を持って、走った。

後ろから走ってくるザーヒルに気づいた王様が、振り返った。

ザーヒルの刀と、ジャラールさんの刀が合わさり、大広間にキィィーンと言う音が、鳴り響いた。


「ザーヒル!?」

「絶対に!女の王など、許してなるものか!」

ザーヒルはジャラールさんの刀を押し払うと、その後ろにある王様に向かって行った。

「父上!」

ジャラールさんが刀を投げると、王様はその刀を右手で受け取り、そのままザーヒルの刀を受けた。

大変だ!

私はラナーのお父さんを抱えて行ったハーキムさんを連れ戻しに、大広間を出た。


「ハーキムさん!」

私の声に振り返ったハーキムさん。

「どうした?クレハ。」

「早く大広間に戻って。王様とジャラールさんが、大変なの!」