月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

すると王様は、ザーヒルの肩に、右手を置いた。

「ザーヒル、見苦しいぞ。誰が見ても、そなたに罪があるのは分かっている。」

そして、王様は大広間の真ん中に立つと、皆に聞こえるように、こう言った。

「君主付き筆頭侍従、ザーヒル。そなたの任を解き、この宮殿から追放する。ラナーは、筆頭侍女の任は解くが、引き続きネシャート王女付きの侍女として、側に仕えるように。以上。」

「有難うございます。」

ラナーは、大きな声で王様に頭を下げ、両親の元へ戻って来た。

「お父さん、お母さん。」

「ラナー!よかった、よかった!」

家族で抱き締め合う光景を見て、私もほっとした。

「さあ、お父様。傷の手当てを。」

ハーキムさんが、お父さんを立ち上がらせた。

「そうだった。」

お母さんと一緒に、お父さんを抱えたハーキムさんが、大広間を出た時だった。

「ここまでか……」

突然ザーヒルが、刀を抜いた。