月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

益々ざわつく大広間に、王様が立ち上がった。

「皆の者、静まれ。」

玉座から静かに歩いてくる王様。

そして、ラナーの前に立った。

「ラナー、辛い思いをさせて、すまなかった。これからも、ネシャートの側にいてやってくれ。」

「我が王……それでは……」

「ああ。そなたは無実だと、ここに宣言する。」

すると、ラナーの両親とハーキムさんは、両手を挙げて喜んだ。

ネシャートさんも、大きく拍手をして喜んでいる。

私も拍手をしながら、ジャラールさんと目が合った。

ジャラールさんは、拍手をしていなかったけれど、大きく頷いていた。


よかった。

ラナーが罪人にならなくて。


その時、ザーヒルが慌てて王様の前に来た。

「我が王よ。この者は、王女の命を狙ったのですぞ!」

「そなたに、そそのかされてな。」

「そそのかしたとは、余りに言葉が過ぎます。我が王は、私に非があるとでも、仰るのですか!」