月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

「ザーヒル。お前と言う奴は……」

ジャラールさんも、唇を噛み締めている。

「何を言うのだ。この者の願いを叶えてやっただけだ。大体、私がラナーを唆したという証拠が、どこにある?ハーキムとの結婚を進言した見返りに、ネシャート王女の命を狙えと言った証拠は!!」

ぬわああああ!

証拠は、あんたが今、殺したじゃんかよ!!


「ラナー。」

ラナーは、下を向いたきり、黙ったままだった。

「ラナー。本当の事を言って!」

それでもラナーは、何も言ってくれない。


「お、王様!」

ラナーのお父さんが、一歩前に出る。

「私達は、証人にならないのでしょうか。」

「証人か……ラナーが、ザーヒルに脅されているのを、聞いたと言うのか?」

「そ、それは!聞いてはおりません。しかし、我々が無理矢理地下牢に連れて来られ、今の今までそこに閉じ込められていたと言うのは、証拠にはならないのでしょうか。」