気づいたら、駱駝の上に乗っていた。

「クレハ?」

私の顔を覗き込んだのは、髭が似合うハーキムさんだった。

「大丈夫か?俺を見ろ。」

「えっ……」

ハーキムさんの目をじーっと見ると、彼はほっとしていた。


「ハーキム、少し休もう。」

「しかし日没まで、時間がありません。今は少しでも距離を縮めないと……」

するとジャラールさんは、私たちの隣に来た。

「いいんだ、ハーキム。」

するとジャラールさんとハーキムさんは、砂漠の中で駱駝から降りた。


「クレハ、水だ。」

「ありがとうございます。」

ジャラールさんから水筒を貰うと、ゴクンゴクンと音を鳴らしながら飲む。

こんなにも水が有り難いなんて、ここに来てわかった。

「元気を取り戻したようだな。」

「はい。」

まあ、日射しでぐったりはするけれど、あんなに眠かったのは無くなってしまった。

しかもまた、イケメンに会えたし。