月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

「我が王よ。他にも証拠はございます。」

ハーキムさんが合図をすると、黒づくめの男、数人が大広間に連れて来られた。

「あっ、この人達です!我々を地下牢に連れてきたのは!」

ラナーのご両親が叫ぶ。

「この者達は?」

王様は低い声で、ザーヒルに質問をした。

「はてさて……知りませぬな。」

ザーヒルは、とぼける態度を取った。

「そなたの配下の者ではないと、申すのだな。」

「はい。全く存じ上げません。」

よくも王様の前で、そんな嘘がつけるよ。

ジャラールさんだって、この黒づくめの男達が、ザーヒルの手下だって知ってるのに!


「それにしても、誘拐とは許されませんな。」

その上ザーヒルは、その黒づくめの男達に向かって、冷たくこう言い放った。

「ラナーは罪人と言えども、王女付きの侍女。その者のご両親を誘拐し、監禁するとは。この者達には別途罪を与えなければなりません。」

黒づくめの男達は、驚いて顔を上げた。