月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

「そなたの言う通りです、ラナー。私が気づかないばかりに、そなたには辛い思いをさせました。許して下さい。」

「そんな……ネシャート様に罪など、少しもございません!私の方こそ、私の方こそ!……」

ラナーはネシャートさんが差し伸べた手を握り、床につくくらいに、頭を下げていた。


「ザーヒル。」

それを見ていた王様は、とても低い声でザーヒルを呼んだ。

「は、はい。我が王。」

「これは一体、どういう事か。」

「い、いや。これは……」

「返答によっては、お前に重大な罪を与えるぞ。」

そう言った王様の目は、殺されるかと思うくらい、鋭かった。


「我が君!これは何かの間違いでございます!」

王様は、眉一つ動かさない。

「もしや我が王まで、私をお疑いになるのですか!幼い頃より王にお仕えしてきたこの私を!」


いやいや、ここの証人がいるんだから、言い逃れはできないよ、ザーヒルさん。