月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

「お父さん……お母さん……」

いつの間にか、涙を堪えているラナーが、側に立っていた。

「ラナー!」

お父さんとお母さんが、ラナーを抱き締める。

「ハーキム様から聞いたよ、ラナー。なんて愚かな事をしたんだ。私達の命を救う為に、未来の国王の命を狙うなんて!」

「そうだよ。私達の命等、この国の為ならいくらでも、くれてやったのに!」

「そんなこと、言わないで!」

ラナーの顔が、我慢していた涙が溢れて、グチャグチャになっている。

「お父さんとお母さんの命よりも大切なもの等、私にとってはこの世にありません!例え、未来の国王の命を奪い、罪人の汚名を着せられ、この命が無くなったとしてもっ‼」

「ラナー……」

「お父さんとお母さんの命の方が……どれほど大切か……」


そして、椅子に座っていたはずのネシャートさんが、私達の側に来た。

「ネシャート様……」