月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

「なに?なぜ、侍女の両親がここに来ているのだ。どうして、そんなにもやつれているのだ。」

「それは……」

ハーキムさんは、ザーヒルの前ではっきりと言った。

「このザーヒル様に捉えられ、地下牢に長い間、幽閉されていたからです!」

周りがざわつく。

ジャラールさんとネシャートさんも、驚いた顔をしている。


「ハーキムさん。」

私はハーキムさんと、ラナーのご両親の側に寄る。

「クレハの言う通りだった。まさかと思い顔を見に行ったら、間違いなくラナーのご両親だったのだ。教えてくれた事、感謝する。」

さすが、ハーキムさん!

私には間違いだって言ってたのに、ちゃんと確かめに行ってくれたんだね。

「よかったですね。」

私は、ラナーのお父さんに話しかけた。

「ああ、あなたは、ラナーのご友人。ありがとう。おかげで、私達は冷たく暗い世界から、抜け出す事ができた。」

その目にはうっすらと、涙が溜まっていた。