新幹線に乗って、一時間。

景色を見ていると、瞼が異常に重かった。

「紅葉?」

光清が話しかけてくれて、なんとか意識を取り戻す。

「すごく眠そうだね。コーヒーでも飲む?」

「うん。」

光清に缶コーヒーを渡され、グビッと飲み干した。


「どうしたの?イケメンのお陰で、ぐっすり眠れたんじゃなかったの?」

「うん……」

眠れたはずだった。

変な夢だったけれども、悪夢でもないし。

どちらかと言うと、ハラハラドキドキの冒険しているような夢。

寝不足ではない、はず。


でも異常に眠い。

さっきから生欠伸ばかり出る。

「一旦、寝たら?」

「いいのかな。」

「構わないよ。着いたら起こすし。」

光清にそう言われ、私は背もたれに体を預け、目を閉じた。

スッーと、周りの音や光は遮断され、私はあっという間に、ウトウトと眠りについた。