月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

「ごめんなさい。どうしてもラナーを助けたくて。」

「分かっている。」

そう言って、ジャラールさんは、私をきつく抱き締めてくれた。

体の震えが止まる。

この人に愛されない事は知っているのに、どうしてもジャラールさんが欲しくなる。

ネシャートさん、ごめんなさい。

私も実はジャラールさんが、好きなんです。

今だけ。

今だけ、ジャラールさんを抱き締める事を許して。

私はジャラールさんの背中に、両腕を回して目を閉じた。

「クレハ?」

私を抱き締めてくれているはずのジャラールさんが、驚いている。

「ジャラールさん。もうこんな事ないと思うから、今のうちに言っておくね。」

「何を言ってくれるんだ?俺の可愛いお姫様は。」

「ふふふ。」

お姫様って。

さすがジャラールさん。

女の子が喜ぶツボ、抑えている。

「私、ジャラールさんの事、好きだった。」

「クレハ……」

「こんな気持ちをくれて、有難う。」