月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

もう!放っておけない!

「待って下さい!」

私はラナーの近くに走った。

「控えろ!王の前だぞ!」

あっと言う間に、護衛達に捕まる。

「待って下さい!ラナーがジャラール王子を好きだなんてウソです!ラナーは!婚約者のハーキムさんを好きなんです!」

すると、ジャラールさんが、助けに来てくれた。

「我が王よ。この者は私の側にいる者です。勝手に王の前に出てきた事、お許しください。」

「いいだろう。許そう。」

王様の一言で、護衛の人達は、私から離れていく。


「クレハ!」

「ジャラールさん!」

するとジャラールさんは、私の肩を急に掴んだ。

「クレハ。早くこの場を立ち去るんだ。」

「えっ?」

いつものジャラールさんと違う。

「ここは王の前だ。王族以外の者が、許しもなくここに来てはいけない。」

その冷徹な目に、体が震える。

私、そんなに大それた事をしてしまったの?