月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

う、美しい!

この世の者とは思えないぐらい美しい!!

そしてネシャートさんの側には、またジャラールさんが。

これまた正装で立っている。


カッコいい!!!!

あまりにも王子様のイメージ通りで、クラクラする。


「おねえちゃん、大丈夫か?」

見かねて隣のおじさんが、私を背中から支えてくれた。

「ハハハ!すみません……」

おじさんに頭を下げて、あの二人をまた見る。

王子様と王女様。

そんな呼び名がしっくりくるほど、ジャラールさんもネシャートさんも、神々しい。

あんなに気安く話していたなんて、信じられない。

まるで別な世界の人みたい。


しばらくすると、役人らしき人がラナーに近づいた。

「ネシャート王女付の侍女、ラナーよ。そなたがネシャート王女の飲み物に、毒を入れた。間違いはないな。」

「はい。間違いはありません。」

ラナーはうろたえるでもなく、はっきりとした口調で答えた。