月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

よ〜く顔を見ると、昨日の夜、見た顔。

「ハーキムさん!」

「なんだ?寝ぼけてたのか?」

意地悪を言うハーキムさんに、ある事を気づく。

「ハーキムさん。なんでここに?」

「今朝、地下牢を出られたんだよ。嫌な事を思い出させるな。」

少したじろぐ私に、ハーキムさんも少し不機嫌?


「そう言えばハーキムさん。」

「ん?」

私は、ハーキムさんを壁の隅に、呼び寄せた。

「夜に気になるモノを見たの。」

ハーキムさんは、ハッとすると私の肩をぐっと掴んだ。

「何を見た?」

「あの……」

私はゴクンと、息を飲んだ。

「地下牢で、ラナーのご両親らしき人を見たの。」

「ラナーの?」

ハーキムさんは、驚いてそれ以上、声が出ない。


「理由も聞かされず、連れて来られたんだって。食事は一日2食出るみたいだけど、老夫婦にはきついかも。」

「えっ?何だって?」

ハーキムさんが、耳に手を添えた。