月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

『ハーキム。私の胸に来い。』

『ジャラール様。この時をどれ程待ち望んだか。』

妄想の中でハーキムさんとジャラールさんが顔を合わせて近づける。

ヤバイ!

妄想、ノンストップ!!


「ハーキム様は、ジャラール様がいればいいのよ。」

ラナーの一言が妄想に拍車をかける。


『ジャラール様。私はあなた様さえいれば……』

『ハーキム。私もだ。』


どわ〜!!

似合うから妄想が膨らむ。

もう何も言わないで〜〜


だけど聞こえてきたのは、ラナーの鼻を啜る音。

「ラナー?」

「私……」

泣きながらラナーは、何かを私に訴えようとしている。

「小さい時から、ずっとハーキム様を見ていた。背が高くて優しくて強くて。ネシャート様の恋話を聞きながら、私の相手がハーキム様だったらって、何度も思った。」

「そう。」

「その気持ちをザーヒル様に悟られたの。ザーヒル様は、自分がハーキム様と結婚できるようにしてやるって言って下さって……」