月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

私が辿り着いた時には、ラナーは一番奥に体を丸めて座っていた。

「ラナー。」

声は聞こえているのに、ラナーはピクリとも動かない。

「ハーキムさんから聞いたよ。政略結婚なんだってね。」

私はラナーが見えるところに座った。

床がひんやりしていて、お尻が冷たい。


「ラナーを1番目の奥さんにするって、他の人とは結婚してないって言ってたけれど、だったらラナーと結婚するまで待てって感じだよね。」

ラナーは聞いていないようで、聞いている。

背中がそう語っている。

「ハーキムさん、真面目なんだね。真面目過ぎて大切な人を傷つけるって、なんかドラマみたい。」

もしドラマ化するなら、シリアスなのに絶対コメディになる。

「でも優しいよ。身寄りのない人とか、自分を好きって言ってくれる人を彼女にするなんて。日本だったら考えられないかも。」

う〜ん。

草食男子だったら、有り得るかな。