月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~

自分でまた鍵を開けて、牢屋に入ってしまったハーキムさん。

どこか寂しそうだ。

「ハーキムさん。ごめんなさい。私が余計な事を言ったせいで。」

「クレハは悪くない。ラナーの心を開けなかったのは、俺のせいだ。」

ハーキムさんが、ぐっと手を握る。


「クレハは、ハーレムを知っているか?」

「ハーレム?ああ、たくさんの女の人を奥さんにできるってやつ?」

「そうだ。アラブの国では、当たり前の事だ。俺だって何人か女性がいる。」


ええっ!

ハーキムさん、結婚してるの?


「ラナーはその事知ってるの?」

「知っている。会わせた事はないが、どこからか聞き付けているのだ。」

ラナー。

だから婚約者だと言うのに、ハーキムさんへ冷たい態度をとるのかな。

「ラナーは王女付きだ。位が高い。望めばジャラール様の側にいる事だってできた。」

「はあ?ジャラールさん!?」

いやいや。

ラナーはそんな素振り、一切なかったけどな。