「いや、この世界に来たのは必然で………その、作戦に加わるのは……偶然?」

「はい?」

ジャラールさんの目の前で、頬を膨らませる。

「分かった、分かった。クレハも連れて行く。」

「わ〜い!」

作戦会議に行くのに、ピクニックに行くノリ。


「よし!じゃあ行くぞ、クレハ。」

「おう!」

勢いよく腕を上げた割には、ジャラールさんの後ろにこっそり付いて行く。

廊下に出て、ジャラールさんは誰にも見つからないように、影に隠れる。

「誰にも見つかっちゃ駄目なんですね。」

「まあ、そうだな。ハーキムは側近と言えども、今は捕らわれの身だ。堂々と会いに行けば、ザーヒルの目に留まり、面倒な事になる。」

そして私は、さっき通った道を思い出す。

「じゃあジャラールさん。抜け道は任せて。」

「抜け道?」

私はジャラールさんに手招きをすると、ラナーに教えてもらった抜け道へと来た。

「ここ。」

私は少しだけ、扉を開ける。