「はあっ!!」

まるで溺れた後目が覚めた時のように、急に現実に戻された私。

「紅葉……」

側にいた光清は、目が覚めた私を見て、安心したのか後ろへ倒れ込んだ。

「よかった……いくら呼んでも動かないから、どうにかなってしまったのかと思った……」


光清。

また心配かけてごめんね、と言おうとした時だ。

手に何かある。

恐る恐るそれを見ると、やはり"あのペンダント"だった。


あの伝言は、本当だったんだ。

私はペンダントを、顔に当てた。


「光清。私、もう一度ジャラールさんに会わなきゃいけない。」

「えっ……」

「伝えてと、頼まれた事があるの。」

「ダメだ!!行くな!」

光清が大声を出す。

周りの人が、私達をジロジロと見ていく。


「もう寝るなって、あっちの世界に行くなって、言ったよな。」

「でも光清、」

「でもじゃない‼絶対にダメだ‼」

光清は厳しい顔しながら、涙ぐんでいた。