夕方に鈴奈さんが来て、二人で賑やかにご飯を作り始める。
 あたしはクリーム系がダメになって、鈴奈さんはナマモノがちょっとダメ。
 フィレブロックを使うカンタン煮豚に、梅酢の和え物、トマトの玉子炒めをテーブルに並べ、やっぱりここに引っ越して来てよかったってつくづく。 
 由弦達も余計な心配が減るし、あたしと鈴奈さんもお互い心強くて安心だ。
 子育ての悩みとかダンナの愚痴とか。ぜんぶが順風満帆に行くとは思ってないから、そういう時は聴いてもらう相手がいるだけで、女は発散できるイキモノなんだよね。



「瑠衣ちゃん達は、チハルちゃんが生まれるまで訊かないんでしょ?」

 食べ終わり、洗い物をしながら鈴奈さんが言ったのは性別のコト。 

「洋クンは先に知りたいみたい」

「あー洋秋は案外せっかちだもんねぇ」

「でもたぶん男の子っぽいー」

 あっけらかんと彼女が笑う。
 あたしもそんな気がするなぁ。

「チハルちゃんは女の子っぽい!」

 ・・・そんな気もする。うん。

「由弦の溺愛が止まらなそーで怖いよ、今から」

 まだ決まってないけど溜め息が漏れる。

「パパと結婚するなーんて言われたら由弦クン、本気でしそうだもんね?」 


 ・・・・・・それ、ほんとにシャレになんないわぁ・・・・・・。