ナニかを吸い取られたみたいな気怠さに包まれ、これでもう寝るんだろうと思ったのに。
 横になって背中からあたしを抱き締めてる由弦の指が、またやんわりと脚の間を探り始める。

「・・・ァ、ゆづる、・・・ダメ、だって、ば・・・」

「・・・さっきのは練習だからな。こっからが、本番だ」

 耳許に低く囁かれると。
 自分でも何だかよく分かんない。頭より先に躰が。勝手に欲しがる、勝手に開く。


 こっちは初心者だってのに。言われるまま、されるがまま。
 一晩で由弦って男を憶え込まされた気がする。

 由弦の女になった。
 証は見えないけどココに刻まれて。


 生まれ直したみたいな、・・・そんな朝を。寝息を立てる由弦の隣りであたしは迎えた。
 昔からそばに在ったのに気付かないフリしてた、シアワセってやつと一緒に。