「瑠衣・・・」

 由弦は何度もあたしの名を呼ぶ。
 あたしは由弦の声だけ聴こうと、必死に。
 
「・・・ゆ、づる・・・ッッ」

 最初の、押し入られた束の間。ひりつくような痛みを堪え。
 次第に圧迫感だけじゃなくなってくる。
 ゆっくり動かれて、言い様のない感覚に意識が支配されてく。
 今まで味わったことがない脳髄が麻痺してくみたいな。   

 自分でも止められない声が漏れ出て、由弦の呼吸も荒くなってく。

「・・・瑠衣・・・イイ、お前ん中・・・」
 
 愛しい男を受け止めて。
 自分がナニかを与えられてるコトの悦びが。
 あたしごと押し上げてく。


 
 やがて。由弦がどんどん切羽詰まって、名を呼びながらあたしを忙しなく揺さぶり。
低く呻いた。 
 あたしの躰からも力が一気に抜けて。ふたり崩れ落ちるように。


 ああ・・・・・・。繋がるって。
 なんかすごく。満たされたキモチがして。
 ずっとこうしてたいって思うほど。

 離れられなくなるんだね・・・。知らなかった。


 由弦の胸に顔を寄せながら、ちょっとだけ切ない思いがした。
 もっと早くこうしても・・・良かったのかなぁ。・・・・・・って。