「マジっすか! いつも差し入れ、あざっす。姉さん!」

「重箱は洗わなくていいから由弦にでも持たせてよ」

「了解っス。いま組長と若頭、ちょっと出てるんスよ」

 どことなく、ヤマトの表情が曇って見えてつい。

「なんかあった・・・?」

「いやまあ」

 イロイロあるんで、とヤマトは笑いで誤魔化した。
 追及するつもりはないから、こっちもあっさり退く。

「何やっててもいいけど、怪我したり死んだらダメだからねっ?」

 笑って右手を伸ばし、ヤマトの頭をポンポンと軽く撫でる。

「子供じゃないんスから、止めてくださいよー」

 照れてる、照れてる。

「じゃあ帰るわ」

「自分、送ります」

 
 あたしとヤマトの話の展開に付いてこれず、最初に出てきた金髪クンは目が点になったまま。
 あたしを、自分とこの組長のイトコで若頭の同級生だってヤマトに説明されて、顔がちょっと蒼くなってた。

 これで二度と忘れないでしょ?、下の名前。