【実話】辞められないから


そんな一日を過ごしてからずっとうつ状態だった心が少しだけ緩んだ
その日を境に自分の意思に無関係に流れる涙も止まった

かと言ってうつ病になるまで崩壊した精神が治ったわけではない
少し自分の事を考えられるようになった程度だ

そんな時、私のそんな状態を気にしない友人が1人だけいた
私に何かあった事は分かってただろうけど、私は私だからと憔悴しきってた状態でも受け入れてくれた

何もしないと言う一日を過ごした翌日、その子はダンスバトルの見学に誘ってくれた
私が大好きだったダンスは数あるジャンルの中でもバトル文化から広がったものだったので重い体に鞭を打ち行く事にした

かく言う私も、何度もバトルに出てきたがただ見学するだけと言うのは今回が初めてだった
せっかく行くなら出ないと、と言う気持ちを押し込めて気楽に行こうと思えたのはきっと前日によく休めたからだったんだろうと思う

会場に着けば顔見知りのダンサーさん達が何人もいて今の状況を知らない、ただバトルを楽しみに来てる人たちが心地良いと思った