そんな状態が1ヶ月続いた頃、味方の居なくなった私に弱音を吐ける相手はいなく限界の限界に達した
この頃には軽い記憶障害のようなものも出ていたと後になって思う
「もう限界なんです。何もしたくない。踊りたくない。踊りに関わるものに触れたくない。」
そう電話で打ち明けたのは講師陣の中の1人だった
後に担任になる人物ではあったがこの頃はまだ学生のボディケア方面でのサポートが主だったので現役のダンサー講師よりは相談しやすかったのだ
それにある程度、学生と距離のある立ち位置だったので深入りせず話を聞いてもらえたのは大きい
「じゃあ、辞めちゃえば?」
「え?」
「一度、1日でもいいから嫌だと感じるもの全てシャットアウトして何もしたくないなら何もせずボーッとしてみればいいじゃん。」
ずっと悪意のこもった視線や態度、言葉を送られてた1ヶ月を過ごした私にとってこれ程ストンと自分の心に落ちる言葉がある事に救われた
みんなが公演の準備で忙しくする中そんな事していいんだ、と
考えたことすらなかった提案に、思うことすら罪だと言うほどの罪悪感が何か許された気がした
携帯を圏外に設定して外界との連絡を断ち、SNSも見れないようにして1日を過ごした
壊れた感情で気を抜けば流れる涙は垂れ流しにして頭まで布団をかぶった


