豪は眠そうに立ち上がると、リビングを出ていった。



まあ、毛布を畳んでいく、っていう頭はあの男にはない。



軽く毛布を畳んで、クローゼットに移動し、豪の泊り用のスウェットとパーカーを取りだして、浴室に歩く。



何も言わずにリビングを出ていくのは、大体お風呂に入る時。

トイレがそんなに近い人じゃないから。




ビンゴー。

お風呂からシャワーの音が聞こえる。




脱衣所に服を置き、カゴに入れられたスーツを綺麗に畳んで紙袋に入れる。

靴下や下着は洗濯機に放り込み、豪用の洗剤で洗う。


豪の彼女とかが、その、えっと、夜の営みを、していた時にですよ?まあ、事後でもいいか。そん時に女物の洗剤の香りしてたら大変でしょ?


凄くない?あたしの配慮。



「何ニヤニヤしながら洗濯機見てんの。」



うわ、やらかしたー。



「いいえ。お気になさらずー」




あたしは紙袋を持ってくるっと方向転換し、脱衣所を出た。




恥ずかしっっ。



ガラッ



グイッ




何故か引っ張り込まれ、脱衣所に逆戻り。


横スライド式の扉はピシャッと閉められ、その扉に背中を付け、豪の方を向かせられる。