「柊って一人暮らし?」



何故か1年の教室に紛れ込む滝田先輩と、五十嵐。



なんでセットでいつも五十嵐が居るのか。



「一人暮らしですよ、一応」



「一応?」



「従兄が出入りしてて、てか、あの部屋自体従兄の名義で借りてるんですけどね」




「そうなんだ?従兄って男?」




「はい」




「いくつ?」





「26です。」



「……そう、なんだー」



声が途端に低くなる。


教室の一番後ろのベランダ側、そこに三角を作るように立って話してるあたし達。もちろん視線は半端じゃない。


イケメン二人組の先輩がここにいるから。


あたしも当然言われてるのは分かる。皆聞こえるように言ってるからね。


「ご両親が、その従兄の人に一任してる感じなの?」



ご両親、か。うーん、困ったな。
滝田先輩のことだ、言ったら困らせて謝らせてしまうだろうな。



「まあ、そんなところですかね」



また、少し暗い顔をする滝田先輩と、あたしの言葉の間に怪訝な顔をする五十嵐。



「滝田先輩は一人暮らしじゃないんですか?」



「………」



「滝田先輩??」


下を向いたまま反応しない滝田先輩。


「せーんぱーい。」


「っ、ごめん、考え事してた」



顔を上げて苦笑いする滝田先輩。