雨のにおい






何故そんなデマを噂されるのかは、あたしには分からない。



お願いすればヤらせてくれる。


そんな馬鹿な考えで話しかけてくる男は沢山いるけど、




「なあ、柊ってビッチなの?」





こんな人は初めてだ。




「ぶっ、くくくく、ははははっ」




お腹痛い。なんなのこの人。




五十嵐織人は一瞬怪訝な顔をしたが、すぐ呆れたように目を逸らした。




「ははっ、そんなこと面と向かって聞く人、滝田先輩が初めてですよ」



あー笑った、と目元を拭うと瀧田先輩が結構真剣な目であたしを見ていて、また笑いそうになった。




「どこをどうみたら、ビッチに見えるのか、そんな噂がたつのか、あたしが聞きたいくらいですよ」




「じゃあ、違うってことか?」




「試してみます?」




そうあたしが上目遣いで言ってみると、滝田先輩の顔は真っ赤になった。




「ふっ、あははっ、滝田先輩本当に最高ですね?」



「おい、まじで、からかうなよ………」



「ごめんなさい、先輩が可愛くてつい」



「男は可愛いって言われても嬉しくないの。分かった?」